「返信しないといけない」と思いながら、メッセージを開いたまま時間が過ぎていく。内容を確認して、返事を考えて、言葉を選んでいるうちに、返信そのものが重たく感じられる。
忙しいときには、そんなこともあるのではないでしょうか。
確認したいことがあったり、落ち着いて考えたかったり、何を書けばよいか整理できなかったりすると、すぐに答えを決められないことがあります。
そこで今回は、返信を「質問への完全な回答」だけに限定しない考え方をご紹介します。すぐに結論を出せないときは、別の形で返す方法もあります。すべてを一度に解決しようとせず、自分の状況に合うものを選んでみてはいかがでしょうか。
返信には、答えを伝える以外の役割もあります
返信というと、相手からの質問に答えたり、依頼を引き受けたり断ったりすることを思い浮かべやすいものです。
ただ、返す内容はそれだけとは限りません。例えば、次のような役割があります。
- 受け取ったことを伝える
- すぐには決められないことを伝える
- 内容を確認してから返すと伝える
- いくつかある要点のうち、一つだけ答える
- その場で答えられる範囲だけ返す
これは、どの場面でも使える決まりという意味ではありません。相手との関係やメッセージの内容によって、ふさわしい返し方は変わります。
大切なのは、「今すぐ完璧に返すか、何も返さないか」という二択だけで考えないことです。返信の役割を小さく分けてみると、できる返し方が見つかることがあります。
まずは「受け取ったこと」だけを返す
まだ答えが決まっていないときは、受け取ったことだけを短く伝える方法があります。
例えば、架空の文例としては、次のような形です。
メッセージを確認しました。少し考えてから、改めて返します。
連絡ありがとうございます。内容を確認してからお返事します。
ここで伝えているのは、最終的な答えではありません。受け取ったことと、今すぐには答えないことだけです。
もちろん、こうした文面がいつでも適切とは限りません。相手との関係や内容に合わせて、無理のない表現に変えてください。
「答えが決まっていないから返信できない」と考えていたときには、受け取ったことだけを伝える方法も選択肢として考えられます。
確認が必要なら、確認後に返すと伝える
質問の内容によっては、その場で判断できないこともあります。手元の情報を確かめたい、予定を見直したい、ほかの人に確認したいという場面です。
このとき、すぐに結論を出そうとするより、「確認してから返す内容」と整理するだけでも、返信文の役割が見えやすくなります。
文例を挙げるなら、次のような形です。
予定を確認してから、改めてお返事します。
いったん内容を確認します。確認できたら連絡します。
確認に必要な時間や方法は、メッセージの内容によって異なります。決まった言い方をそのまま使うのではなく、自分が伝えられる範囲で考えてみてください。
すぐに答えられないことを短く伝え、確認後に返す形へ分ける。これも、返信の一つの組み立て方です。
要点を一つだけ選んで返す
一つのメッセージに、質問や確認事項がいくつも含まれていることもあります。すべてに答えようとすると、返信を始めること自体が難しくなる場合があります。
そんなときは、伝える要点を一つだけ選びます。
例えば、複数の確認事項のうち、今すぐ答えられる一つだけを返し、残りは確認が必要だと伝える方法です。
日程については、○日で確認しました。ほかの点は確認してから返します。
まず、参加できることだけお伝えします。詳細は改めて確認します。
これは、すべての回答を一度に完成させるのではなく、返信をいくつかの部分に分ける考え方です。どの要点を先に伝えるかは、相手や内容に応じて選びます。
返信を書く前に、要点を一つだけ書き出す
文章を作る前に、「今回伝えること」を一つだけメモしてみるのも方法です。
例えば、次のように整理します。
- 受け取ったことを伝える
- すぐには答えられないと伝える
- 予定を確認してから返すと伝える
- 答えられる質問だけ返す
要点が決まったら、それ以外のことはいったん文章に入れないようにします。最初からすべてを説明しようとすると、返信の目的がぼやけることもあるためです。
まずは一つだけ返す。必要があれば、確認したあとにもう一度返す。そのように分ける方法も選択肢になります。
今すぐ答える必要がある内容かを考える
返信を考え始めると、「早く答えなければ」と感じることがあります。しかし、資料の確認、予定の整理、考えの決定などが必要な内容なら、すぐに結論を出せない場合もあります。
そこで、返信文を書く前に次のように問いかけてみます。
「今、答えそのものが必要なのか」
「それとも、受け取ったことを伝えればよいのか」
「確認してから返す内容なのか」
また、すぐ答えられる部分と、確認が必要な部分を分けてみることもできます。すべてを一つの返信に詰め込まず、今伝えられることだけを選ぶ方法です。
急ぎかどうかや、どのように返すべきかは、相手との関係や内容によって変わります。仕事上の決まりや個別の連絡方法がある場合も含め、ここで一つの答えに決めるのではなく、自分の状況に合わせて判断してみてください。
返信の形を一つに決めなくても大丈夫です
返信を後回しにしてしまうときは、「きちんと答えなければ」と考えているのかもしれません。けれど、返す内容は、完全な回答だけではありません。
受け取ったことを伝える。
確認してから返すと伝える。
要点を一つに絞る。
こうした小さな返し方も、状況によっては選べます。
次に返信を考えるときは、いきなり文章を完成させようとせず、「今回伝えることを一つだけ選ぶなら何か」と考えてみてはいかがでしょうか。
すぐに答えを出せないときにも、返信の形を一つに限定しない。その見方が、返事を考えるときの選択肢になるかもしれません。
短い返信の言い回しを、もう少し知りたいときに
「短く返してもよい」と思えても、具体的な言葉選びで迷うことはあるかもしれません。そんなときの参考書として、中川路亜紀さんの『新版 気のきいた短いメールが書ける本』があります。
出版社の紹介・目次では、短くても失礼のないメールの書き方に加え、返事を保留する場面や、ビジネスチャットの返信についても扱っています。仕事のメールやチャットで、短い返し方を具体的に考えたいときの読書候補になりそうです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。


